フランチェスコ・クレメンテ |
-記憶はそれぞれの色を持ち、
その色は少年のこころの色を映し出す…
これは僕のこころが捉えた
遠い記憶の物語だ
(大いなる遺産より)-
誰もが持っている少年の頃の凝縮された時間の記憶。
フランチェスコ・クレメンテのドローイングは子供の頃の記憶を思い起こしてくれる。
写真の画集はFrancesco Clemente - Watercolors,
クレメンテの水彩画集
1982年チューリヒのビショフバーガーの出版
ビショフバーガー画廊は、この画集に収録されている水彩を一枚2万5千ドルで販売していました。安いか高いか話題になりましたがすぐに高騰期を迎えたので目立つ価格ではなくなりました。しかし新人に近い作家の水彩の価格としては当時破格だったようです。
クレメンテはこのあと小さな(ハガキ大のものも)水彩を数多く描くようになり、展示も小さな作品を複数並べて空間を構成するインスタレーション的な展開を好むようになります。
淡い色遣いでたっぷり水を含ませた滲みが特徴
熱帯を想わすような強い原色はまだ出てきません。