風水もまたやっかいなもの |
ルーツは同じであると言われていますが、現代では全く違うものとなっています。
風の流れ、水の流れを判断し、家族が安心して暮らせる場所を選定するという本来の「風水」は家づくりを考える上でも、私は非常に理にかなったものだと思います。
ただ、風水の思想をもとに“安住の地”を探すと言うこと自体、現代の日本では現実味が無い。土地を見ずに紙の上で判断する家相やインテリア風水が主流なのも当然の成り行きかもしれません。「西に黄色いものを飾れば金運がよくなる」というインテリア風水にどれほどの根拠があるのかはわかりませんが、色が人を活気づかせ、落ち着かせ、憂鬱にも興奮させたりする。また、暖かくも涼しくも感じさせることはよく知られています。
すべての物は色を持っていて、知らず知らずのうちに人は色から影響や刺激をうけている訳ですが、住まいのなかでむしろ大切なのは赤や黄色といった色ではなくて、その色が見せている表情です。時間が経って退色し始めた色、一層深みを見せ始めた色、そんな色味の表情に関心が向くようになれば、住まいは愛着の持てるものとなります。