「暖かさ」の演出 part2 |
この美術展では1階の一画におもしろい展示方法がなされていました。
展示ケースのガラスを通さずに自然光のもとで掛け軸を鑑賞する展示法がとられていたのです。12の床の間を左官壁でつなぎ、背後に障子をはめ込む。
十二か月を表した12幅の「花鳥図」が1幅ずつ床の間に掛けられていました。
美術館の琵琶湖疏水に面した窓から入ってくる自然光は障子で和らげられ、時間のうつろう様子が掛け軸に表現されます。軸は光や陰影によって驚くほど色調が移り変わり、多彩な表情をのぞかせてくれます。
我々日本人は庇を深くして光の直射を遮り、さらに障子で透過され和らげられた光でいろいろなものを見てきました。掛け軸や屏風、あるいは襖といった日本の伝統的な美は、西洋の絵画と違って生活空間のなかのしつらいであり、時間のうつろいが表現されます。
うつろいがもたらす陰影のなかで映えることを前提として創作されてきたとも思えるのです。
「りぶら二条展示場」ではほとんどの窓に障子をはめ込むことを考えています。
風にそよぐ樹木の影が障子に踊るはずです。
暑い夏には熱を遮り、寒い冬には冷たい外気から生活をやさしく守ってくれます。
『りぶら二条展示場ライブ』 OMソーラーの新展示場二条駅前に建設中
私の家も子供部屋の三ヶ所を除いて、和室、洋室関係なくすべて障子です。今更ながら障子のすばらしさにほれ込んでいます。もっとその良さが理解されてもいいものなのですが。
カーテンやブラインドよりメンテナンスも楽です。