景観条例 part4 |
「デザインに関しては、企画・広告を担当しているスタッフも同席させてほしい。」とのお申し出があり、(初めての経験でした。社員を大切にされていることを感じ、非常に新鮮に思いました。)プランもある程度固まったところで、担当者である若い女性スタッフとファサードの打ち合わせをしました。建築場所は、京都市内でも中心部に近く、新景観条例の対象地区内です。写真や雑誌を広げながら意見を聞いていきます。
ヨーロッパの旧市外でしょうか。オフィス街を撮った雑誌を前にして「やっぱり、色や形が揃っているから、こんなにも綺麗なんですね。」の一言が、非常に印象に残りました。
業界ではなかなか聞けない意見です。
現在の京都の街並みを写真に撮ったとき、はたして雑誌で紹介できるような絵になる街並みなのか。と問われれば、誰しもがそうでないことを認めざるを得ないでしょう。
日頃の業務の中で、この条例に関しての疑問(特に庇と屋根に関する規制はよくわからない。和風を表現するのが、なぜ庇と勾配屋根なのか?よく言われる水平ラインも何を意図しているのか?)もたくさんありますが、やはり行政のやることには自ずと限界があるでしょう。
出発点となるような建物があり、そこから連鎖的に街づくりが始まれば、きっと京都は良くなると思います。
9月1日、京都では「新景観条例」がスタートしました。