2024年 09月 21日
夢のキッチン |
子供の頃の家は、田の字型で中2階の典型的な農村建築だった。玄関を入ってそのまま進むと「おくどさん」のある土間があり、土間の上部は吹き抜けで、煙に燻された小屋組が真っ黒だった。
幾つのときかは忘れたが、「おくどさん」は取り壊され、台所は板張りになった。冬の底冷えは随分と和らぎ、母の台所仕事も随分と楽になったと思う。「おくどさん」が暮らしの中心だった。日々の煮炊きはもちろん、大晦日やお正月に大活躍し、冬の暖も「おくどさん」から取っていた。家の中で最もエネルギーが集まる場所が、「おくどさん」のある土間だった。時代は変わっても、食事をつくるところや食べるところが家の中心であることに変わりはない。
Eテレの「きょうの料理」という番組で見た台所の美しさが、忘れられない。
2つのシンクと業務用のガスコンロをL字型に配置したキッチンに、奥行きのある大理石のセンターテーブルが使い易そうだった。キッチン内の作業エリアをシームレスに移動できるように計画されていた。壁はレンガ張りで、キッチン前のみステンレスだったと思う。食器や調理器具の置き方もとても絵になっていた。料理研究家のホルトハウス房子さんのご自宅だった。俳優の谷原章介さんとの会話も軽妙で、洒落ていた。お元気そうで、さばさばした話し方が印象的だった。
もう一度家を建てることがあったら、こんな台所にしてみたい。
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by papa4kid
| 2024-09-21 12:41
| ちょっとまとまった感想等
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