夢と数 (武満 徹) |

1987年にリブロポートから発行された武満徹の「夢と数」
あっても、手頃な値段で手に入れるのが難しい本です。
この本の中で、武満徹は自らの音楽の思考法、作曲法の一端を解説しています。
例えば、『鳥は星形の庭に降りる』 という作品がどのように作曲されたか…
マン・レイが撮ったマルセル・デュシャンの写真。
後頭部が星形に剃ってあるデュシャンの写真を見た夜に、一羽の黒い鳥にリードされた無数の白い鳥が星形の庭へ舞い降りていく夢を見た。
夢のなかの風景が非常に音楽的なものに思われて、音楽にしてみたいと思った。
と武満徹は語っています。
『群れをリードする黒い鳥』 から曲の核音となるF♯を
『星形の庭』 から5つの音場 をつくっていく。
視覚的なイメージから音楽的プランを導き出す方法が、美しいスケッチと手書きのスコアで解説されます。
武満徹は『数』についても語っていますが、これはちょっと難しい。私には良く理解できませんでした。音楽という空間に、奥行きを持たせるための一つの方法なのかな とも思います。