「ドラゴン・タトゥーの女」 |
いくつかのストーリーが同時進行していく感じで、とても複雑であるが最後まで見入ってしまった。猟奇的殺人事件の犯人探しはわたし程度の記憶力ではとても無理だが、見入ってしまうのは独特の映像美と映像のもつ疾走感によることが大きい。空気感の描写が素晴らしく、北欧の暗灰色に沈む景色に陰鬱な宗教的、社会的背景が重なる。また、映像でもこれほどの疾走感が表現できるものかと感心もした。
ルーニー・マーラが演じるヒロインのリスベットがとても魅力的だった。
複雑なストーリー展開のなかで、常に伏線としてあるのはリスベットの心の様相。
アンバランスなものに共通する“危うさ”が魅力なのか、…ラストシーンがなんとも切ない。