何必館・京都現代美術館に「山口薫展」を見に行った。part1 |
昔、NHKの日曜美術館で紹介された「おぼろ月に輪舞する子供達 1968年」に強い印象を持ったことは、以前にも書いている。

写真はHPから転載させていただきました。
今回の展示会のものではありません。
油彩を中心に水彩、スケッチ等、70点ほどの作品を見ることが出来る。「花の像 1937年」がデビュー作で、「おぼろ月に輪舞する子供達 1968年」が絶筆だそうだが、この2作品が際立って他の作品と違うような印象を持った。明るい色使いの馬や牛を描いたものあるが、全体的には沈み込んだ、暗鬱とした色使いの作品が多い。時代を追うに従って、一見、何が書いてあるのかわからないほど絵が抽象化されていく。個人的には、40年代の極度に抽象化された風景の、大きな作品2点が好きだが、どの作品を見ても添えられた言葉とともに、内に秘めた強い思いというものが心に染み入ってくる。
心象を独特な画風とともに表現することに到達した、稀有な画家だと思う。