照り返し |
母親は、庭に石を入れれば良いと言っていたが、石では夏の照り返しが厳しい。
一般的に照り返しといったときには、視覚的な面での太陽光の反射が考えられがちであるが、直射日光を吸収して高温になった地表面からの再放射エネルギーも、建物廻りの熱環境に大きく影響する。寺院に見られる、前庭に白砂を敷き詰めることで反射光を部屋の奥深くまで導くといった手法も、直射日光を遮る“深い軒”を前提とする。
“深い軒”の無い、居間の掃出し窓前をどうにかしようと5年前、タマリュウを植え始めた。 何度か株分けを繰り返して、漸く地面をカバーするまでに生え揃ってきた。
石とは違い、熱容量の小さなタマリュウは、夕方になるとともにその表面の温度は降下していく。夏の地表面の温度の照り返しを防ぐにはとても効果的だ。但し、常緑であるタマリュウは、冬の照り返し効果、熱を取り込む効果は期待できない。