Water(2016)/エレーヌ・グリモー(Helene Grimaud)/ |
水に関連したピアノ曲8曲にニティン・ソーニーの 『Water - Transition』 が挿入される。
曲と曲の間を約1分程度のアンビエントな曲で繋ぎ、全15曲をひとつの「水の物語」として聴かせようとする試みだと思うが、意図したことは 『Water - Transition』 の存在より、下のトレーラーに良く表されていると思う。
Hélène Grimaud - Water (Trailer)
1. 水のクラヴィア(ベリオ)
2. Water - Transition 1
3. 雨の樹 II(武満徹)
4. Water - Transition 2
5. 舟歌第5番 Op. 66 (フォーレ)
6. Water - Transition 3
7. 水の戯れ(ラヴェル)
8. Water - Transition 4
9. イベリア第2巻「アルメリア」(アルベニス)
10. Water - Transition 5
11. エステ荘の噴水(リスト)
12. Water - Transition 6
13. 霧の中で - アンダンテ(ヤナーチェク)
14. Water - Transition 7
15. 沈める寺(ドビュッシー)
「水の物語」 は、しずくの落ちる様を描いたベリオの 『水のクラヴィア』 から始まる。
武満徹の 『雨の樹 II』 は一転して無調の曲だが、しずくのきらめき、水面が揺らぐ情景描写が素晴らしい。空間的スケールの大きさも感じる。
水の動きを精密に描写したラヴェルの 『水の戯れ』、 リストの 『エステ荘の噴水』 では、水のイメージの増幅に圧倒される。
ラストは、このアルバムを購入するきっかけとなったドビュッシーの 『沈める寺』
澱のような空気感に包まれる、不思議な曲だと思います。
エレーヌ・グリモーのピアノは一音一音が澄んだ音で、とても綺麗。
ただ、残念なのは、音場に奥行きが感じられないこと。録音の仕方だと思う。