美の壺・選「“空間の魔術師”フランク・ロイド・ライト」 |
日本に現存するフランク・ロイド・ライトの3つの建物 「帝国ホテル旧本館」 「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」 「自由学園明日館」 を通してライト建築の神髄を解き明かすという内容だった。食い入るように見てしまった。
隈研吾氏のコメント-「…だから結局は建築っていうのは場所からこう生えてきた植物みたいなもんだと僕は思ってるし、多分ライトもそれに近い事を感じてたんじゃないかなと。」- 的確で分かり易い。
低く抑えられた天井から入って、突如現れる大空間-空間の印象を劇的に変化させながら構成していくテクニック。
光の当たり方によって表情を変える煉瓦-無数の筋が影という特別な効果を煉瓦に与える。影のついたタイルが湿度のある日本の景観に調和するということ。
学校の中央に正面玄関や校長室を設けるのが一般的だった時代に、ライトは生徒が集うホールを配置する。その奥には天井を高くしつらえた食堂を-生徒も先生も学校の全ての人がここに集まり共に食事した。
掃除や食事の準備など、生徒同士が一つの家族のように過ごして送れる学校。
