夏の終わり part15 |
当時、私は、レコードではなくカセットテープで聴いていたと思う。最近になって、レコード盤で買い直した。
ギターを主としたインストゥルメンタル中心の曲構成だが、独特の浮遊感とけだるさがアルバム全体に流れている傑作だ。
スティーヴ・ハイエットは、当時、既に写真家としても活動しており、1977年には写真集 『視覚の造形』 を発表している。建築物を撮ったものが多かったと記憶しているが、その後のファッション誌での作風とはかなり違っている。
『視覚の造形』 は、ざらついた質感と沈んだ色、面で見せる画面構成が独特で、他に類が無いように思えた。構図の巧みな捉え方、シャープさは変わらない。が、むしろ、スティーヴ・ハイエットはファッションフォトグラファーとして成功した。
ジャケット写真には、ファッションフォトグラファーとしての作風が伺われる。
夏が終わる頃、スティーヴ・ハイエットの建築写真と共に、このアルバムが思い出される。