「エスキース（esquisse）」

「エスキース（esquisse）」という言葉は、設計をしているときに良く使います。

フランス語で「素描」という意味だそうですが、英語のスケッチとは意味が少し異なると言われています。スケッチはアウトラインをざっとイメージするときに使いますが、「エスキース」にはある対象を入念に観察し、研究するための下絵という意味合いが含まれています。

わたしたちは、この「エスキース」という手法を使って設計します。アイデアという 『点』 が、呆れるほどに繰り返される「エスキース」によって 『線』 になり、製図という作業で 『面』　になる。

わたしが設計という仕事を始めたとき、最も難しかったのが、真っ白な紙に線を引くというこの作業でした。白紙の紙に線を引き、やがてはその線が現実のものとなる。膨大な可能性の中から、これと思ったものをかたちづくっていくのですが、決定的な正解があるわけではありません。この思いは、今でも同じです。

そんな時、お客様からの一枚の写真、「こんな感じがいいなあ。」 という一言から、確信や新たな発想が生まれます。疑問点、不安に思うことをひとつひとつ解決していきたい。

「家づくり」 「ものづくり」の楽しさを、是非お伝えしたいと思います。

「家づくり」 「ものづくり」 の楽しさを設計者も住まい手も同じように共有できればと考えています。