木には愛情を持って |
そこで心配なのは木部と塗装の耐久性(交換、再塗装時期)です。自然素材系の仕様として最もお客様説明の必要な部分なのですが、これがあまりうまく伝わっていません。
定期的なメンテナンスを心掛けていただくことで、木や塗装の寿命は延びます。
会社でクレームに対応しているアフターサービスの担当者にも聞いてみましたが、やはりまめに再塗装されているお宅と、そうでないお宅とでは雲泥の差があるとのことです。
腐ってしまってから木の交換の必要なことを言うことは、非常に心苦しい事でもあります。
木は何年持つか?あるいは、塗装は何年もつか?といった質問に答えることは本当に難しいことです。
木や塗装は取り付いている場所(条件)によって随分状態(雨の当たり具合、紫外線等)が違います。交換、再塗装時期も異なります。使用説明書に書いてある何年で… というのはあくまで目安です。
花や樹木を愛してやるように木や塗装も目視して変化を見てやること、変化が生じれば適切な処置をしてやることが一番です。
木材の劣化や変色はいろいろな要因が複雑にからみあって生じます。日光(紫外線)によって木材表面は「日焼け」を生じ、さらに雨水によって浸食されて「ヤセ」「灰化」が生じます。
ある種のカビは陽のあたる条件でもよく繁殖し、木材表面や内部を黒く変色させます。
また、木材腐朽菌による腐れや害虫(ヒラタキクイムシ・シロアリなど)の食害が加われば木材の強度は大きく低下します。
私どもも設計上、木材を劣化させない工夫をしています。
雨に濡れないように軒や庇を長く出す。
また、雨に濡れても雨が溜まるような形状、納まりを極力避けています。
いずれにしろ、早めのメンテナンスは必要です。