覚え書き part6 |
ある日、親しい大工に「今、おもしろい家をやっているんだけど見に来ないか。」と言われ
て金閣寺の近くに見に行ったのが、構造体を「表し」にした真壁の家でした。
最初は個人的な興味で、今思えば単なる表面的なデザインを取り入れていただけに思います。その後、本格的に取り組むことになり国産材を使って構造体を「表し」にした真壁の家をつくるネットワークに入りました。
よちよち歩きの子供には、手を引いてくれる人は必要なんですね。
国産材を扱うネットワークといえば、川上から川下への流れ、上(かみ)から下(しも)へ木材の流通に携わる人々のネットワークを連想しますが、このネットワークは山側は2社(製材所、調達から現場配送までをコーディネートする人物)、町側は数社の工務店と設計事務所といった水平型のネットワークです。主にスギ材での家づくりを目的としています。ネットワーク内の設計事務所、工務店が調達する材の価格はすべて同一で、規格寸法ごとの単価表が公開されています。山の見学会、勉強会等も共同で実施します。
このような同業者でのネットワークができた背景には、まず、一般ユーザーに「木の家」が認知されるということが大事、認知されなければ数も増えていかない。ある程度の数量をまとめて材の価格、ストックを確保させたい、維持したい といったことがあったと思います。「府内産材を使った家づくり」で特に山側(売る方)に感じるのはこの「見通し感の無さ」、「見通しを持てないでいる」といったことです。
これって、山側(売る方)だけの問題でしょうか…。